ヨセミテ ハーフドーム(Half Dome)登頂 その4
2008-06-14 09:25:48
さて、ここからが長い長い道のりのスタート。
とにかく頭の中では、全体の17マイルという数字ではなく、前半の8.5マイルという数字のみを考えるようにする。
1マイル歩けば、もう8分の1。2マイル歩いたら、もう4分の1。日頃から数マイルの距離はよく歩いているので、そうやって考えると大したことないように思えてくる。
とはいえ、長い登り坂。ハーフドームまで、勿論のことだけど、殆ど登り。
登頂を目指しているのだから、当然のことだけど、やっぱり登り。いけどもいけども。
この事実は、いかに発想を転換しようにも変わらない。
そんな中で、前半のトレイルにミストトレイルを選択したのは正解だったかも。
確かにミストトレイルは急な石段。しかも早朝にびしょぬれになる(しかもしかも水量の多い6月はずぶぬれ必至)。体力温存のため少し距離は長いけど緩やかな登りのジョンミューアトレイルを選択するという手もあった。
でも、ミストトレイルは景観が楽しめる。びしょぬれになるのも、また面白い(日が出たら直ぐ乾くし)。気分転換にはもってこい。
ジョンミューアトレイルは、確かになだらかだけど、ひたすらだらだらとしたスイッチバック。長い。
多分このトレイルを行きに選択したら、暗い中で、ハーフドームを目指す、ただそのために黙々とつらい登りを歩き、トレイル自体を楽しむことは出来なかったかもしれない。
かわりにミストトレイルはトレイル自体を楽しめて、中間点のリトルヨセミテバレーまで来ても気持ちはフレッシュのまま。これってかなり大切なことのような気がする。
途中で撮影のため何カ所かで止まったし、ゆっくりと努めてあがったこともあって、肉体的な疲れもあまり感じず。
リトルヨセミテバレーで朝の7時に朝食をとった後、よしここからスタートだ、と思えた程だった。

(ネバダ滝)
ただ、リトルヨセミテバレーからハーフドームまでの3.2マイルがつらい。たかだか3.2マイル、されど3.2マイル。
視界が開けず、景観も楽しくないだらだらとした登り、登り。日も出て気温も少しずつあがっていく。
リトルヨセミテバレーではあんなに元気だったが嘘のよう。荷物がかなり重く感じたのもここらから。
少し歩いては止まり、また少し歩いて止まり。ひたすらそれの繰り返し。一歩一歩、ただ足を進める。
途中、元気なアメリカ人青年が走って追い越していったけど、彼は一体なんだったのだろう。
頑張って歩くと漸く視界が開けてきた。
しかし、目の前にはハーフドームへの最後のアプローチ。
最後の急斜面を目前にして、なぜか笑いしか出てこない。
最後にして最大の難関に、漸く辿り着いた。
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